仕事をすると疲れますね。でも家でじっとしていたりしても回復しないことがあります。最近の仕事は、身体を使う割合が減っています。なのに疲れが取れない。それは、疲労の原因が身体ではなく自律神経の中枢にあるから。
東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身博士が疲労に関する研究を続けて、その原因を突き止めました。
疲れは身体ではなく自律神経の中枢と脳にある
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仕事や生活で疲れているひとは増えています。肩甲骨のこりや腰痛など慢性的な症状に悩むひともたくさん。ところが休んでも回復しないと身体は悲鳴を上げることも。
でも、実は身体が原因ではなかったのかもしれません。
大阪市立大学特任教授の梶本修身氏の調査では、ゴルフなどの運動やスポーツを少々しても身体や筋肉へのダメージはそれほどではないと。
運動で疲れる個所は、筋肉や内蔵ではなく、身体を制御する役目を持つ自律神経。運動中や仕事中も自律神経は身体のバランスを保つために、指令を出します。
自律神経の動きが止まると、ひとは生きる事ができません。そのため、自立神経の中枢が疲れると、防衛のためにアラートを出します。これが疲れの正体。
この自律神経の中枢は脳幹の視床下部にあることから、脳の疲れと言い換えてもいいかもしれません。
眼精疲労も中枢神経の疲れ
眼精疲労も似たようなメカニズム。
動物は狩りなどのときは交感神経優位で遠くに眼の焦点をあわせます。獲物を見つけたり敵から身を守るためです。
そして、リラックスモードの時は、副交感神経優位で、眼の焦点は近くに合わせます。
しかし現在は、仕事モードで交感神経優位なのに、パソコンや書類など近くに焦点をあわせます。身体は緊張状態で交感神経が働き、眼はリラックスして副交感神経。この自律神経の矛盾が眼精疲労に繋がるというわけ。
東洋医学では、ストレスや疲れを解消するために自律神経の乱れを整える鍼灸が使われていました。現代社会は、ストレスによって、交感神経を使う頻度が多く、それが疲れやイライラの原因として、多くの鍼灸師や整体師が主張しています。
梶本修身氏の調査で、その主張が西洋医学的にも裏付けされたと言えるかもしれません。
長時同じ事をすると脳が疲れる
長時間、同じ行動を取ると脳が疲れてしまいます。身体だけでなく脳の神経も同じ行動を繰り返すと酸化ストレスで疲労します。
オフィスワークで、肩甲骨のこりや背中のだるさがなかなか取れないのは、脳の疲労も関係あったんですね。
脳の疲労を取るにはやはり、質の良い眠り。疲労回復因子が眠ると登場して酸化した細胞を修復してくれます。
また、回遊魚や鳥の胸肉に含まれるイミダペプチドという成分は、自律神経の中枢と脳の疲労を取る効果があると言われています。