皮膚の下にある消化管・肺・動静脈・筋膜をつつく組織を【間質】と呼ぶ新たな組織として命名しようという研究論文が発表されました。米国のニューヨーク大学医学部を中心とする研究プロジェクトが、2018年3月27日付けのサイエンティフィック・リポーツで公表。
人体の新たな器官【間質】とは
間質は、強度のコラーゲン&柔軟のエラスチンというたんぱく質で出来ています。美容で重視されているあのコラーゲン!
この間質は、液体が流動的に動いており、リンパ系へと体液を運んでいる免疫機能を担います。また、体液を満たして、相互ネットワーク化した間質は、臓器や筋肉を守る緩衝的な役割を持つ重要な存在。
◆間質の動画
間質の機能一覧
- 液体を運ぶためのハイウェイ
- 衝撃吸収
- 筋肉や骨を包み人体を維持する
免疫機能を司ることから、ガンをはじめとした新たな病気に対する対応・研究が待たれるところ。スポーツ選手が良くなる水がたまる・腱の異常などに対してもより効果的な解消・治療方法が見つかる可能性があります。腰痛や肩甲骨のこりなどレントゲンなどで見ても不明な症状・炎症などにも関係しているのではと思うところ。
間質が、新たな器官として認められるかはまだこれから。今後の研究を待つことになります。
健康業界では、筋膜という概念がブームになっており、筋肉だけでなく筋膜にアプローチする手法が、腰痛や肩甲骨のこり解消に利用されていますからね。
この研究成果に大きく寄与したのが、生きた組織を顕微鏡レベルで観察できる高性能なプロープ型共焦点レーザー顕微鏡(pCLE)だ。研究論文の共著者でもあるデビッド・カーロック博士は、2015年秋、この新しい技術を用い、患者の胆管でがんの転移を調べていたところ、胆管の内面を覆う粘膜下組織レベルにおいて、これまでの解剖学とは合致しない、相互に連結する空洞を偶然見つけた。ニューズウィーク
高性能な顕微鏡の登場で、人体の謎がどんどん明らかになっています。間質をはじめとした更なる研究成果を待ちましょう。