背中と胸の間にある左右一対の扁平骨が「肩甲骨」。上腕骨と肩甲上腕関節を、鎖骨とともに肩鎖関節を作る。胸郭とともに筋肉による連結で肩甲胸郭関節を形成する。(英名shoulder blade)
ダイエット・美容業界では天使の羽と呼ぶこともあり、背中の空いたドレスを着用するときは、肩甲骨の形がきれいだと体のラインが美しく見える。
肩甲骨のこりや痛みに悩む人が増えており、周辺の筋肉をマッサージや鍼灸・皮内鍼でほぐす・癒す施術者が増えている。
●人間の肩甲骨:様々な骨・筋肉・靭帯が繋がって構成
肩甲骨周りに起きやすい症状
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三角形の大きな骨で、鎖骨を介して胸側とも繋がり体幹全体の動きと連動する。人間の腕が複雑に働けるのも肩甲骨のおかげ。肩関節は、骨同士がくっついていないため他の関節と比べても、動きの自由度が高い。その分、不安定であり筋肉や腱が幾重に重なり支えあっている。
周囲の筋肉が硬直して肩甲骨がずれた状態になりやすい。⇒肩関節の可動域が小さくなったり、周辺にこりや痛みが生じる。
支えている主な筋肉
アウターマッスル:外側で支える大きな筋肉
●僧帽筋:肩から背中に広がる大きな筋肉。修道士のフードに見立てた名前。後頭部の外後頭隆起からスタートして肩甲棘まで続く。背中から腕の動き全般にかかわるため、こりがおきやすい。
●三角筋:投げる動作に関係の深い筋肉。肩関節を覆うように存在している。
●広背筋:肩甲骨から腰の腸骨にかけて斜めに広がる筋肉。腰や背中のこり・痛みにかかわる。
●前鋸筋:肋骨から肩甲骨にかけての筋肉。肩甲骨や肋骨を支える役目を持つ。
●肩甲挙筋:頸椎と肩甲骨をつなぐ筋肉。パソコン作業等のデスクワーク中心の人はこりや固いなどの症状を訴えやすい。鍼やマッサージが効果的。
インナーマッスル:肩甲骨と腕・肩を繋ぎ支える筋肉
●棘上筋:上腕骨と肩甲骨の上部をつないでいる小さな筋肉。腕を上げるときに働く。関節を安定させる回旋筋腱板(ローテーター・カフ)の構成筋の一つ。メジャーリーグの大投手、ノーラン・ライアンが運動能力向上に役立つと気づく。
●棘下筋:腕を捻るときや水平に動かすときに利用する筋肉。
●小円筋:棘下筋の下から腕の骨と肩甲骨をつなぐ。腕の運動能力を司る重要な筋肉の一つ。
●肩甲下筋:肩甲骨の肋骨側と上腕骨をつなぐ。この4つで、ローテーター・カフを形成。
●菱形筋:脊椎と左右の肩甲骨をつなぐ一対の筋。肩甲骨と背中の間が痛い・こりがあるという場合は、この筋肉が疲労や緊張しているケースも多い。表層へのマッサージではほぐしにくいという難点もある。