手や足に、水ぶくれ・湿疹が出来て、かゆみを生じるのが汗疱=汗疱性湿疹とも言われます。水虫と違い、菌で生じるわけではなく、汗が皮膚の外に出てこれず、皮膚の中に溜まることで、水ぶくれになります。
水ぶくれが出来ると、見た目も嫌ですし、人によっては強いかゆみで我慢できなくなり、かきむしってしまいます。すると、どうなるか。当然、皮膚が破れてただれてしまい、じゅくじゅくした液がでてつらさが倍増。
汗疱とは何?
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これ、異汗性湿疹・汗疱状湿疹と呼ばれることもあり、初夏から秋になりやすい。原因が汗ですから、汗の出やすい時期につらい症状が出てきます。汗もや水虫と似ている部分もありますが、手や足になりやすいのが、違うところ。
水虫と違って、感染の心配はありません。
- 最初は、1mm程度の小さな水ぶくれができます。
- 水ぶくれが破れて皮膚が湿疹化します
- 皮膚が乾燥・角質化して剥がれ落ちます
- 元に戻ります
- 水ぶくれができて再発します
実は、この汗疱、根本的な原因が分かっていません。そして、完全な治療方法もありません。
困りましたね。私もそうなのですが、水ぶくれ状態の時には、かなりのかゆみが生じますし、皮膚が破れて湿疹になると、水につけると痛い・指を曲げると痛いなど日常生活にも支障をきたします。
足に出来る汗疱はまだしも手指にできるとつらい。しかもなかなか治らず、夜寝ていてもかゆみで起きたりします。
皮膚科で、汗疱と診断
水ぶくれができて困ったら、一度は皮膚科の診断を受けましょう。もしかしたら、汗疱ではなく、別の病気かもしれません。水虫だったら他の人にも感染しますしね。
また、根本的な治療はできなくても、一時的に抑える対象療法は可能です。皮膚科で汗疱と診断されたら、とりあえず薬をくれるはず。
一番、メジャーでかつ効果が高い薬はステロイド系。症状にあわせて皮膚科医では様々な薬を処方してくれますよ。これで、永遠に治るわけではありませんが、とりあえず、かゆみや炎症を抑える効果があります。
汗疱で皮膚科医に来る患者様は、多く、私の症状を一目見て、皮膚科医のおじいちゃん先生は一言。【これは汗だ】、呟いて書類に書き込み始めた時には、さらに汗が出てきました。当時の私は汗疱のことも知らず、汗って何?何の病気と焦ってしまいましたよ。
その後、質問をすると汗疱のことと、簡単には治らないことを説明してくれましたけどね。塗り薬もくれて、しばらく塗ると快方に向かいました。
薬を塗るときは、水ぶくれが大きくなってからだと遅いので、かゆみを感じたら、少量でもいいので塗るのがいいでしょう。副作用等も心配なのですが、おそらく、汗疱の範囲は狭いので少し塗るだけでいいはず。
汗疱を治す方法
根本的な原因不明な汗疱ですが、それなりに対処方法はあります。
●洗剤やシャンプーに注意:特に洗剤を使うと、手の脂を落としてしまいます。脂分がなくなると手荒れになりやすいのは良く知られた事実ですね。汗疱にもなりやすいので、手袋を使うのがベストです。薄い使い捨てのビニール手袋を使うのが一番良い方法だと思います。
●歯の金属アレルギー:実はこの汗疱もアレルギーの一つという説があることをご存知でしょうか。2000年以前には、歯の治療に水銀が用いられていました。いわゆる銀歯や詰め物に水銀の合金を使っており、この金属が微量に溶けだして体内に入りアレルギー症状を起こしている可能性があります。私も、実は中学生の頃に治療した奥歯がこれで、問題がある可能性があります。汗疱に悩む方は皮膚科・歯科に相談してみると改善するかもしれません。
●運動をする:皮膚の汗腺が詰まることで起きるため、運動をして汗腺を活発化させることも有効だと言われています。汗が詰まって出てこないので、身体を動かすことで汗腺を活発化させる方法。
●薬を使う:皮膚科での処方薬、または市販薬でも症状を抑えることができます。私の汗疱は、タクトホワイトLという市販薬で治しています。完全な治療ではなくかゆみや水ぶくれを抑えるだけですが、効果はあります。
フタを開けると白い塗り薬のタクト。
このタクトはあせも・かゆみ用の薬で、汗疱以外の症状に対しても効果を発揮するので便利。常備しておけば、あせもになった時にも活用できます。
他にも汗疱で苦しんでいる方がビタミンの一つ、ビオチンで治ったという話も聞きました。
中指が汗疱になり、薬「タクト」で、治りかけの状態。中指と薬指を比較すると、肌の荒れ方が違いますね。この状態まで来るとかゆみはありません。
水ぶくれをつぶすのはダメ?
水ぶくれができたら潰さない方がいいのでしょうかと思いますよね。
本当は潰さない方がいいんですけど、無理無理。汗が皮膚の中に溜まっている&もし本当にアレルギーの一環だとしたら、かゆみでかきむしってしまいますよ。
起きている間は耐えられても寝ている時のかゆみには耐えられません。必ず潰してしまいますし、そのまま潰さずに治ることは少ないはず。指にできた汗疱の水ぶくれ、ティッシュで抑えて、ぎゅーっと潰すことは良くあります。
ただ、水ぶくれを潰してばかりいると、どんどん症状が悪化していきますので、その前に、薬でかゆみを抑えましょう。
他にもストレス・自律神経・血流・筋肉のこりなど汗疱には、様々な原因がありますし、完全な治療法がないのが残念です。せめてかゆみだけでも薬で抑えられれば、全然、違いますよ。