腰痛になって病院に行くとまずレントゲン、そしてさらに詳しく調べるためにはMRIやCTスキャンで検査を行います。ところが、腰痛を訴える人にMRIやCTスキャンをしても、約20%~25%しか異常が発見されないようです。
MRIとCTスキャンについて(wiki)
MRI:核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう、英語: magnetic resonance imaging, MRI)とは、核磁気共鳴 (nuclear magnetic resonance, NMR) 現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。
CTスキャン:コンピュータ断層撮影(コンピュータだんそうさつえい、英語Computed Tomography、略称:CT)は、放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部画像を構成する技術、あるいはそれを行うための機器。
MRIで腰痛が分かる割合
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富永ペインクリニック院長の富永氏によると、
報告にもよりますが、腰痛を訴えた患者さんの場合、明らかな異常がMRI検査などで見つかる割合は、たった20~25%。即ち、腰痛症の5人のうち1人し か、異常は発見されないということです! ですから、もしあなたが腰痛を訴えて、いろいろな検査を行ったにもかかわらず、「異常が見つからなかった」という結果は、全く異常なことではないのです。出典:富永 喜代
その原因として、レントゲンやMRI・CTでは、椎間板ヘルニアや骨折などの異常は見つかっても、関節のズレや筋肉の硬化(マヒ)・血行不良などが見つからないことにあります。
そのため、腰の痛みが気になってこういった検査や血液検査などを行っても、特別な異常は見られませんと言われる事は多々あります。
場合によっては、気のせい・心理的なストレスや筋力不足・運動不足として、様子を見ましょうという形で診断が終了することも少なくありません。
MRIやレントゲンなどの検査が万能と考えて、そこに異常がなければ問題なしと考えてしまう病院や医師もいますが、患者さんは、検査や診断で異常が見つからないのに、実際には腰の痛みを抱えているのです。これは、五十肩や肩甲骨のこりなど筋肉の異常全般に言えること。筋断裂や肉離れまで症状が進まないとわからない。
これはつらい。現代は科学万能・医療万能的な考えが強いこともあって、医療診断・検査次第で、行政や会社の対応が異なります。検査で異常がなければ、援助や休養を得にくいことは周知の通り。医師の「異常なし」は、一刻を争う重病や、レントゲン・MRIで判明する骨の異常などはないということだけ。この世の中及び人体には、まだままだ謎が多い。筋肉や血流に関する点には、未知の点が多く、まだまだ医学の進歩が望まれる分野は多い。患者としては、医者に行き、MRIなどの診断さえ受ければ、医師は過去の事例や膨大なデータから病名を瞬時に言い当てると思いがち。ここに、医師と患者との間で認識の違いが大きく出てくる。
腰痛は軽くても疲れやすい・重い物を持てないなど日常生活に差し支え、ひどいと仕事にならずに出勤さえできなくなる可能性があります。慢性的な症状は、時に西洋医学の限界を感じます。
もちろん椎間板の問題などで異常がはっきりと分かる場合もありますが、原因不明の場合には、検査を繰り返すよりも東洋医学に頼ってみるのもいかがでしょう。
検査で分かる場合と分からない場合
検査で分かる腰痛と分からない腰痛について千駄木治療院様がまとめています。
検査でわかる腰痛
腰痛の病名(種類)はいろいろ分類されると上で述べました。そのなかで病院の検査ではっきりするものは
●椎間板ヘルニア
●脊柱管狭さく症
●脊椎分離・すべり症
●脊柱靭帯骨化症
●骨そしょう症
●内科的な疾患(癌、腎結石など)による腰痛です。これらの腰痛はレントゲンやMRIなどの検査でその原因がはっきりとつきとめられる腰痛です。腰痛の原因は様々ですので、検査でわかるものはきちんと検査を受け、原因をはっきりさせることはとても大切なことです。
検査でわからない腰痛
次に検査ではわからない事例、
●筋筋膜性腰痛(脊柱起立筋などの筋肉の炎症で痛い)
●椎間関節性腰痛(痛みの原因が椎間関節周囲にあるとされる腰痛)
●腰痛症(原因不明とされる腰痛)などがこれに当てはまります。
MRIやレントゲンの検査で分かる腰痛は約1/4であり、異常がなかったからといってあきらめるのではなく、鍼灸治療・柔道整復師などの東洋医学治療院に相談してみましょう。