脊椎に何らかの問題が起きて病気になるケースがあります。
二足歩行で歩くようになった人類は、脊椎(背骨)に大きな負荷をかけていますので、どうしても損傷を受けやすい上に加齢による老化現象が現れやすい個所です。
脊椎分離症と脊椎すべり症
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脊椎分離症(骨折)
脊椎の関節の骨が折れて分離した症状です。
脊椎すべり症
脊椎の椎骨がずれてしまった症状です。
骨折して分離した結果、起きる「脊椎分離すべり症」とせ脊椎分離を伴わない「仮性すべり症」があります。
仮性すべり症は、椎間板の変形により起こるものが多く、壮年期以降に発症します。
成長期のスポーツで起きやすい
この脊椎の分離は、スポーツをしている人で10%~15%、スポーツをしていない人で5%位に現れます。
スポーツ選手で背中や背骨の骨折(疲労骨折)と報道されているのは、ほとんどこの脊椎分離症です。
スポーツを行う青少年に起きやすいのは、まだ成長期で骨が出来上がっていないことが原因と考えられます。腰をねじったり無理に伸ばしたりする動作や身体をぶつけ合うことで、骨に少しづつダメージを与えて疲労骨折を起こすのではとされています。
脊椎分離症は、脊椎すべり症や椎間板ヘルニア脊柱管狭窄などに進行していくことがあるため、適切に治療を行うことが大切です。
自覚症状
疲労骨折が起きた分離症だけでは自覚症状が出ないこともあります。離れた骨を靭帯や筋肉が補ってしまうことで痛みなどの自覚症状になり難いのです。
ただ、長時間の立ち仕事や、腰を反らせたり横に曲げたりした時に腰痛が生じることや起きたときに腰に違和感やこり・だるさを感じることがあります。
もちろん、運動やスポーツで激しく身体を動かすと痛みや違和感が生じます。
症状が進みすべり症になると神経が圧迫されて下半身に痛みが生じる坐骨神経痛や脊柱管狭窄を起こす場合があります。腰痛の他に下肢の痛みやしびれなどの神経症状が現れます。
治療方法
脊椎分離症・脊椎すべり症ともに、まずは安静にします。もちろんスポーツや重い荷物を持ち上げるなどは止めることになります。
安静にしてコルセットを装着して治療を行えば、数か月で脊椎の骨が元のように繋がります。治ればまたスポーツや労働ができるようになります。
もし、安静にしていても骨が繋がらない場合には、手術をします。
予防のために
成長期にスポーツをしすぎると起きやすいため、適度な運動に止めておく方が良いでしょう。
ただし、プロスポーツ選手を目指すとなるとそうも言っていられません。ほとんどのケースではいきなり骨が折れるのではなくダメージが蓄積していき疲労骨折となりますので、自分の身体が発する「痛みや違和感」といったメッセージを大切にすることです。
何かおかしいなと感じたら、少し休む・専門家に相談してください。
腰や背中の違和感を抱えたままだと良い成績を残しファンを歓喜させることもできなくなります。