腰痛で病院に行き、検査を行っても原因がわかるのは2割程度です。ほとんど原因はわかりません。その場合は「心理的ストレス」が原因だと2012年12月に日本整形外科学会と日本腰痛学会が腰痛診療ガイドラインをまとめてしまいました。
このことが、最近になって話題になっています。
慢性的な腰痛に抗うつ薬や抗不安薬を処方
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心理的ストレスが原因ということは、その不安を取り除く薬を処方することに。
腰痛診療ガイドライン上では、出す薬を以下のように定義しています。
第一選択薬として急性・慢性腰痛ともに以下の薬剤を推奨
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- アセトアミノフェン
第二選択薬
●急性腰痛に対して以下の薬剤を推奨
- 筋弛緩薬
●第二選択薬は慢性腰痛に対して以下の薬剤を推奨する.
- 抗不安薬
- 抗うつ薬
- 筋弛緩薬
- オピオイド
抗うつ薬は脳内のセロトニンやノルアドレナリン低下を防ぐ効果とそれによる鎮痛効果がある事ため慢性的な痛みに対して処方されます。MRIなどやレントゲンなどの検査をしても原因がわからず、筋弛緩薬や抗炎症薬で効果が出ない場合は、抗うつ薬を処方されてしまうケースがあるということですね。
一方的に抗うつ薬が悪いという気はありませんが、副作用が多いのも事実。
【三環系抗うつ薬】:口やのどの渇き、便秘、排尿困難、めまい・ふらつき・立ちくらみ、眠気、頻脈、血圧降下、動悸など。
【非三環系抗うつ薬】:眠気、口渇、めまい・立ちくらみ・ふらつきなど。
【SSRI・SNRI】:吐き気、眠気、口やのどの渇き、便秘など。
この他にも気力減退、神経過敏、自殺の危険性が2倍になるなどの調査結果がでている例も
本当に抗うつ薬を使う必要があるのか
腰痛や肩甲骨のこりなどを治すことだけを考えれば、抗うつ薬の効果が出る可能性はあります。しかし、一方で副作用のことを考えると簡単に処方してほしくありません。
現在の医療業界の欠点として、専門分野ごとに部分最適を追求しすぎだと感じています。腰痛が軽減しても他の症状が生じてしまいトータルで体調不良は進んでしまっては本末転倒だと思いませんか。医療による救われる例は多々ありますが、製薬業界と研究機関の癒着が暴かれることが多いだけに本件も気軽に放っておけません。
●慢性腰痛では抗不安薬、抗うつ薬も有効な治療薬(2013年3月24日付、朝日新聞)
●鎮痛薬を使い、慢性腰痛で十分な効果が得られない場合は、抗不安薬や抗うつ薬も使う(同1月31日付、読売新聞)
フジ虎ノ門健康増進センター長で精神科医の斉尾武郎氏はこう語る。
「たしかに人間の体調と気分には密接な関係があり、心理的なストレスが原因で腰痛を起こす人はいるし、腰痛によってうつ状態になる人もいるでしょう。しかし、そうした患者さんに抗うつ薬を処方しても、痛みの症状が改善されるというはっきりしたエビデンス(証拠)はないのです」ライブドアニュース
新聞社・そして週刊文春やポストなどの週刊誌も抗うつ薬を処方することを取り上げている。
筋肉の損傷は、最先端を行くスポーツ選手でもすべてがわかるとは限らないことを覚えておいてください。サッカー選手で多いのはふくらはぎや太ももの違和感があるも検査では異常なし、ところが試合に出るとハムストリングなどの肉離れを起こしてしまう。フランス人のアブ・ディアビ選手は治るたびに怪我をしてしまう程。
筋肉や腱への小さなダメージは、現代医学でもすべてがわかるわけではないのです。もし、あなたが腰痛そして背中の筋肉への違和感・肩甲骨のこりなどに悩まされていて原因不明だった場合は、ストレスだけではないかもしれません。
表層もしくはインナーマッスルに血流の悪化・こりが隠れている可能性があります。それどころか痛い箇所以外の筋肉が過緊張になり体のバランスが崩れていることもあります。
マッサージや体操、円皮鍼など自分で出来る対処法では解消できない場合は、鍼灸・整体などで診てもらうのも良い方法。一時的な処方として抗うつ薬で鎮痛しても長い目で見ると副作用が心配です。