男性の身体の不調第二位、女性の不調第一位を占めるのが肩こりです。 (厚生労働省:平成19年国民生活基礎調査)
特に日本人に多く、外国人の多くはこの不快な症状を感じないようと言われますが、日本で暮らしている方はなぜか同じように感じるようです。あべこべ体操で体を逆に動かして筋肉を緩めましょう。
原因と症状
◆男性の体調不調:腰痛、肩こり、せきやたん、鼻炎・身体のだるさ
◆女性の体調不調:肩こり、腰痛、手足の関節痛、頭痛、身体のだるさ
と男女を問わず苦しんでいます。成人の7割から8割は肩こりか腰痛を経験しているとのデータもあるほど、国民的病として定着。
【肩こりの原因】
原因 |
内容 |
無理な姿勢や同じ姿勢 | ・デスクワークや作業等で同じ姿勢を続ける ・机椅子や枕が合わない ・寝転がってTVを見るなど |
ストレス | ・ストレスで筋肉が緊張する ・身体全体が張っている |
運動不足 | ・便利な生活に慣れて歩かない ・身体全体を動かすことが少ない |
肩や目の使い過ぎ | ・パソコンなどで同じ作業を続ける ・スポーツなどで同じ運動や強い運動を続ける ・ディスプレイやTV画面の見過ぎ |
体型の問題 | ・肥満やなで型など体型的な問題 ・筋力不足 |
関節や内臓の異常 | ・関節や筋肉の異常 ・内臓関連の異常 |
原因は、表にあるように様々です。
一般的な肩こりは、筋肉の疲労および血行不良によるものですが、病気が原因でひき起こされる肩こりもありますので注意が必要。
中高年に多い症状として五十肩(四十肩)。そして最近増えているのが肩甲骨周辺のこり、女性誌でも天使の羽として肩甲骨ケアが取り上げられることが増えています。
肩こりとあべこべ体操
30秒で楽になるあべこべ体操を試してみよう。
頭と背中、頭と首を逆に動かすことで体が軽くなります。メカニズムとして同じ作業を続けることで血流が滞ってしまいます。
ならば、いつも使う筋肉を逆方向(あべこべ)に動かすと固まった筋肉がほぶされるのではないでしょうか?そう考えるとネーミングはユニークながら理にかなった運動法だと思います。
筋肉疲労による肩こり
一番、多いのは、筋肉疲労が原因で、デスクワーク等による「長時間での同じ姿勢」・「細かい作業の繰り返し」など、「全身を使わず、同じ筋肉を使いつづける」ことで筋肉が疲労をおこし、結果的に肩こりとしての症状が現れます。
現代の仕事はパソコンを使ったデスクワークが増えすぎたことによる身体の不調が増えています。
【肩こりの痛みサイクル】
肩こりの症状が出る筋肉
首と肩周りは、多くの細かい筋肉が協力して肩関節を動かしています。
頭と腕を支えている肩の中で重要な筋肉が以下の通りです。
★三角筋:肩関節を包む大きな三角形の筋肉。腕を上下や水平に動かす
★僧帽筋:首から肩にかけて広がる大きな筋肉で肩甲骨を大小にかかわらず動かす
★肩甲拳筋:肩甲骨を上に持ち上げる筋肉。内側にある筋肉
★棘上筋:三角筋と僧帽筋の下にあり腕を上げる動作にかかわる
★棘下筋:三角筋と僧帽筋の下にあり、腕を水平や外側にひねる動き
★前鋸筋:肋骨の脇から肩甲骨に繋がり、身体をひねる時にかかわる
★小菱形筋:僧帽筋の下にある筋肉。肩甲骨と背骨を支え、小さな腕の動きにも対処
★大菱形筋:僧帽筋の下にあり、肩甲骨と背骨を支え、肩甲骨を意識に動かす
肩こりの症状がひどい場合には、身体の内側にある筋肉(インナーマッスル)にコリが出ているケースが多い。
肩だと肩甲拳筋や菱形筋など
筋肉疲労や血行不良以外の肩こりの症状
病名 |
症状 |
胸郭出口症候群 | なで肩の人に多く、神経が鎖骨周辺で挟まれることで起こる |
肩関節周囲炎(五十肩) | 肩が上がらず、腕の動きが制限される |
むち打ちによる頸椎捻挫 | 交通事故などで頸椎がむちのように屈伸して発症 |
頸部脊椎症 | 頸椎のつなぎ目となる関節がすり減る病気 |
頸椎椎間板ヘルニア | 頸椎の椎間板ヘルニア、激しい痛みを伴う |
頸椎後縦靭帯骨化症 | 頸部脊椎症と似ているが、脊髄を圧迫する |
頸椎の関節リウマチ | 関節リウマチ |