マッサージに行くと気持ちいいですね。ところが、マッサージで強く揉んだり押したりすると「逆効果で肩甲骨まわりのこりがひどくなる」との話もあります。
つらいこりをぐりぐりすると「いた気持ちいい」というのがありますね。それをやり過ぎるとダメと提唱しているのが歯科医師の佐藤青児さん。ご本人もマッサージに通っていた経験をお持ちでしたが、顎関節症の治療に長く携わったことから「筋肉を緩める」方法を編み出して肩こりを解消する本を出しています。
マッサージで筋繊維が断裂して逆効果の可能性
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佐藤青児先生によると、マッサージを強くすると、筋肉の筋繊維が断裂してしまうとのお話。著書「肩こりは10秒で治る」からご紹介します。
筋肉の動きが悪くなると老廃物がたまってパンパンに張り、内圧が高くなって筋膜がピーンと張りつめたになります。そこへ揉んだり押したりといった力が加わると、筋膜はびりびりと細かく破れ、さらに筋遷移も断裂します。硬いステーキ肉を焼く前には、バンバン叩いたり揉んだりして柔らかくします。肩を揉んだり押したりは、同じことを人体で行っているということ。肩こりは10秒で治る:祥伝社
肉料理の基本に、外国産の肉を柔らかくするために、包丁の背中で叩いたりして、筋肉の繊維を断裂させる方法があります。そうすると、外国産の硬めの肉が柔らかくなり、美味しくなりますね。
それを人間の体で行っても同じことが起きます。つまり、筋膜と筋繊維が破れて、筋肉が柔らかくなります。これが痛いけど気持ちいいという感覚の正体。でも、損傷があるので、翌日に「揉み返し」が生じます。さらに、傷ついた組織が再生する時には、以前よりも硬くなります。
ということは、マッサージをすればするほど、一時しのぎで気持ちよくても、だんだん筋肉が硬くなってしまい、こりがひどくなる。⇒逆効果!という考え方です。
筋繊維断裂で筋肉が硬くなる
筋肉は、筋線維という細い糸状のものが束になり筋膜に覆われています。スポーツで怪我しやすい肉離れは重症の筋繊維の断裂。
一方、マッサージの揉み返しは、ちょっとした小さい断裂です。ところが、筋繊維の修復にカルシウムを利用するため、このカルシウムが溜まっていき、筋肉が硬くなってくるとのこと。筋繊維の復活には一週間程の時間が必要。
確かに、私も、てもみんから始まり、多くのマッサージ店に行脚をしました。最終的にたどり着いたのは、淡路町にある中国式マッサージ。これは、強烈に利きましたね。骨が折れるかと思う程の力でぐりぐりされるとどうしようもない肩甲骨から腰にかけての重だるさが無くなります。
ただし、施術の間は痛気持ちいいを通り越して痛い痛いという状態でしたけど。
しかし、その時は効くのですが、毎週~2週間に一回位は通わないと効果がないレベルへとこりが悪化。もしかしたらだいぶ、筋膜と筋繊維にダメージを与えて逆効果だったのかと驚愕中。
軽いこりで悪くなった血流を良くするレベルのマッサージは別として、筋肉を傷めて揉み返しが出るレベルまで、強い力でもみほぐすのはやめた方がいいと思います。
生活習慣や悪い姿勢で固まった体をマッサージで無理にほぐすことに限界があるのは納得できます。それよりも、自分の力で治すセルフケアを上手に活用した方が効果的ではないでしょうか。佐藤先生提唱の筋肉を揺らしてふにゃふにゃにする方法も紹介しておきます。
名医と言われる治療家程、対症療法だけでなく、生活姿勢やセルフケアに気を配ることをおすすめしてくれます。