鍼治療は患者の身体に金属の鍼を刺して治療する方法です。 肩こりや五十肩・腰痛など様々な症状に対して効果あり。実は鍼をWHOが効果ありと認定していることをご存知でしょうか。
元々は、古代中国で始まりましたが、世界中に発展していくなかで、日本の鍼は独自の進化を行い中国の鍼とは違うところもあります。 実は、鍼灸治療には、多くの有名人(芸能人・スポーツ選手・政治家)が通っており、利用者は多いのです。
【治し家鍼灸院での鍼治療風景】
肩甲骨のこり:目次
鍼治療は、WHOが認めている治療方法
鍼治療は、世界中で広まっていて、かなりいろいろな症状に対しての効果が期待できるとWHO(世界保健機構)においても周知されています。
日本では鍼灸治療を実際に受けた人の数は、特に若年層になるほど、少ないのですが、世界的には健康維持や筋肉系の症状治療から難病治療まで広まっています。
美容鍼や健康維持まで東洋医学の効果は世界に広まっています。
WHOが公表している鍼灸治療の適応疾患
【神経系疾患】
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
いかがでしょうか。多様な疾患に効果ありとWHOが認定していることがお分かり頂けると思います。
鍼治療がなぜ効くのか:効果
鍼治療がなぜ効くのかは完全には判明していません。もちろん前述のように東洋医学的考え方や捉え方はありますが、科学的考え方に基づくと以下のような諸説があります。
総合的には、鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、その結果として、中枢性及び反射性の筋緊張の緩和、血液及びリンパ液循環の改善等の作用があり、ひいては、生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)に働きかけるのではないかと考えられています。
また、古来より認められている鎮痛効果の解明も次ぎのような諸説があります。
◆ゲートコントロール…針刺激が脊髄において痛みを抑制する。
◆エンドルフィン…針刺激がモルヒネ様鎮痛物質の遊離を促し痛みを抑制する。
◆末梢神経の遮断効果…針刺激が末梢神経の痛みのインパルスを遮断する。
◆経穴(ツボ)の針刺激による痛覚閾値の上昇による鎮痛効果。
◆血液循環の改善…筋肉の緊張をゆるめ血行状態を良くする。
鍼治療を行える資格
日本で鍼治療を行えるのは医師と国家資格の鍼灸師です。
●鍼灸師の受験資格
1.高校卒業後、指定の学校・養成施設で3年以上、はり師・きゅう師としての知識・技能を修得した者。
2.高校入学有資格で、指定の学校・養成施設で3年以上、はり師・きゅう師としての知識・技能を修得した者。
医師は医師国家試験に合格すると鍼灸治療を行えますが実際に鍼灸の治療を行うことはほとんどありません。
鍼治療の具体的な内容
鍼治療は、ツボと経絡の考え方で治療を行います。身体の中にあるツボに鍼を刺し経絡を流れる気に働きかけて、気を通じて効果を発揮します。
そのため、ツボを知って鍼を刺すだけでは十分に効果を発揮しません。
鍼を指代わりにして気を身体の奥に送り込むことで治療効果を発揮します。
日本の鍼治療では、鍼管という管の中に鍼を入れて刺します。鍼を刺すときは、鍼を入れた鍼管ごと皮膚に当てて鍼を少しだけ刺します。
鍼の先が刺さったら鍼管を抜いて鍼を刺していきます。この刺し方や刺した後にどうするかは治療者や患者の症状により異なります。
・ゆっくりと刺していく
・刺した後、しばらくそのままにしておく
・刺した後に気を送りながらゆっくりと動かしていく
鍼治療の効果をカンタンに
ちょっと難しいので簡単に治療家たちから聞いた話を総合しますと、経絡の話を別としても以下のような効果がありそうです。
◆身体の中に鍼を刺すことで普通の方法では届かない筋肉や組織に刺激を与えることができる。
◆筋肉と筋肉、筋肉と腱の間の組織に刺激を与えてほぐす事ができる。
◆固まった筋肉に刺激を与えて血行を良くする
◆神経に刺激を与えて白血球や免疫細胞を活性化させて自己治癒力を上げる
鍼灸治療にかかる時間とお金
鍼治療の料金の目安は、1回当たり5千円~1万円程です。
治療の内容などによっても違いがありますが、腰痛・肩こりや神経痛などの目安です。
時間:1時間~1時間半、 料金:5千円~1万円位
初診の場合には、初診料として2千円程が必要になります。
鍼灸治療の動画 (脳血管障害からの回復)
こちらの動画は、とある男性が鍼灸治療を受けて脳血管障害が回復する様子を映画化したものだそうです。
この鍼灸治療法は「醒脳開竅法」(せいのうかいきょうほう)と呼ばれる技術です。
目白鍼灸院のブログより
YouTubeで検索すると、日本の鍼灸師の動画はもちろん、世界中で鍼灸についての動画が公開されている様子が分かります。
温泉指圧(ワッツ)などもそうですが、東洋医学と西洋医学の両方を上手く使って健康維持や治療を行う考え方(統合医療)が、広まっています。