国家資格を有する職業の一つ、柔道整復師は、元々柔術・柔道から生じた筋肉や骨格関連の専門家です。
最近、整骨院・接骨院、マッサージなどで活躍の場を広げています。
柔道整復師の業務
接骨院や整骨院では、柔道整復師によって、骨・関節・筋・腱・靭帯などに加わる急性、亜急性の原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの損傷に対し、手術をしない「非観血的療法」によって、整復・固定などを行い、人間の持つ治癒能力を最大限に発揮させる治療を行っています。
■保険の適用範囲
接骨院や整骨院での施術には、健康保険や生活保護法による医療扶助、労災保険や自賠責保険が適用されます。
これらの保険が適用される範囲は、前述した急性又は亜急性が原因の外傷に対する治療です。医師の同意が必要なのは「骨折」「脱臼」の応急手当を除く治療を施すときだけです。 打撲、捻挫、挫傷などは医師の同意は必要ありません。
慢性的な肩こりや内科疾患が起因の腰痛などに対する施術は健康保険の対象外となります。 また、仕事中や通勤途中のケガは労災保険適用です。交通事故によるケガは自賠責保険の適用となります。
打撲・捻挫などについては、医師の同意書なしで保険が適用されることもあって、人気が高まっています。
整形外科との違い
整形外科はレントゲン検査、手術、投薬を行うことができます。
それに対して、柔道整復師は、検査や手術・投薬を行いませんので、マッサージや電気治療などで患者の痛みや患部を治療します。近年、整形外科と柔道整復師の間では、様々な争いが起きています。
医師である整形外科としては、特に思うところが多々あるようです。整形外科医は、国家試験合格後さらに6年間研修し、専門医試験に合格してはじめて整形外科専門医として認定されます。
また、その後も資格継続の研修が行われます。それに対して柔道整復師は、3年間の専門学校を出て、国家試験に合格すれば直ちに独立して施術所を開設できます。
整形外科医から見た柔整師 (前編)
スポーツ関係のトレーナーや整形外科のリハビリなどでも柔道整復師が活躍しています。
交通事故・スポーツでの怪我や身体全体の不調などでお世話になる機会も多いと思います。