2000年に、医学界で衝撃が走ったニュースが「沖縄26ショック」です。
沖縄といえば綺麗な海に美味しい食事、都会に比べ平穏な生活を思い浮かべます。また、沖縄県は長寿の島として有名でした。
沖縄26ショックとは
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2003年12月、厚生労働省が発表した都道府県別平均寿命で、男性が4位から26位に急落したのです。これを「沖縄26ショック」と呼びます。
沖縄は長い間、長寿県として有名で、人口10万人あたりの100歳以上の数が、13年連続全国1位。1985年の都道府県別平均寿命(男性)は、全国1位です。
順位 | 1985 | 1990 | 1995 | 2000 | 2005 |
1位 | 沖縄 | 長野 | 長野 | 長野 | 長野 |
2位 | 長野 | 福井 | 福井 | 福井 | 滋賀 |
3位 | 福井 | 岐阜 | 熊本 | 奈良 | 神奈川 |
4位 | 香川 | 神奈川 | 沖縄 | 熊本 | 福井 |
5位 | 東京 | 沖縄 | 静岡 | 神奈川 | 東京 |
厚生労働省の都道府県別平均寿命ベスト5
その後、2005年の都道府県別平均寿命(男性)調査では、沖縄県25位、女性は1位をキープしています。
しかも、この沖縄26ショックの怖さは、若い男性の死亡率や生活習慣病の割合が高いことです。
男性でも65歳以上の平均余命は全国1位の座を守っている。だが問題はそれよりも若い人たちだ。30~64歳の男性の死因別死亡率をみると、脳血管疾患、肝疾患、糖尿病などで全国ワースト10に入っている世代が目立つ。肥満の人の割合も全国平均より高い。
これまでは長寿者が平均寿命を引き上げていたが、ここへきて若い世代の不摂生ぶりが顕在化してきている。出典:そら情報この原因について沖縄県は、働き盛り世代の心臓病や肝臓病による死亡率の上昇などを挙げています。子どもにも変化が出ていて、2005年度の同県の調査では、6歳から14歳までの体重が、親の世代に当たる1975年度に比べ、男女のすべての年齢で上回り、その差は最大6.4キロに。「肥満傾向」の割合も、すべての年齢で75年度を上回っています。さんようタウンナビ
沖縄の平均寿命低下の原因
沖縄県の平均寿命が低下した原因は大きく4つ上げられます。
1.車中心による運動不足
沖縄は暑く鉄道がないことから、(2004年にモノレール開通)車社会が普及しました。日本全国的に言えることですが個人営業の商店が減り大手スーパーが増えたことから車で移動して買い物をするため、歩かなくなっています。
また、沖縄に旅行に行くとタクシーの充実ぶりに驚く方も多いのではないでしょうか。
2.食生活の西洋化
沖縄は、米国による占領時代に、米国文化や米国式の食事に大きく影響を受けています。
マクドナルドが日本に上陸したのが1971年、ところが沖縄はその10年も前からA&Wというハンバーガーがありました。A&Wのホームページを見ると本州のハンバーガーより脂・砂糖が多そうな米国っぽいハンバーガーです。
世界中で食の欧米化による肥満が大きな問題となっていることは、皆さん、ご存知かと思います。その中でも米国式の食事がもっとも肥満に近づく食事です。人口に占める肥満率の高い国1位は、米国の34.3%です。(2009年OECD調査)
そのため、世界的に脂肪や砂糖の多い食事に税金をかける【脂肪税や砂糖税】の動きが起きています。
これから、沖縄に旅行する方は、沖縄の伝統食と米国型の食事との味の違い、そして、本州のファーストフードと沖縄独自のファーストフードの味の違いも確認してください。
3.アルコールの摂取量が多い
テレビのケンミンショーでも紹介されている通り、沖縄県民は、祭事や飲み会が大好きです。
今も昔も飲み会の多さやアルコールの摂取量は変わらないとはえい、食事が欧米型の高カロリー食に変わってしまいました。
普段の食事に加えて祭事も高カロリーに大量のアルコールを取れば生活習慣病まっしぐらです。
4.職業の変化
昔の沖縄は、漁師や農家が多く、自然に労働という運動をしていたのに対して、観光やサービス業が中心となることで働く内容が変化して運動の量が減っています。
また、散歩だスポーツだといっても沖縄は暑いため、日中などはとても戸外で動くことはできません。どうしても運動不足になりがちです。
沖縄26ショックは、日本全体において他人事ではありません。世界的に医療費の増大・肥満や生活習慣病の増加は大きな問題です。
日本の和食は、生活習慣病を抑えるのに優れた食事です。できればカタカナ食より和食を選んで食べて健康で長生きできるようにしていきましょう。
沖縄26ショックの要因は、食事・生活が変化したこと。それが平均寿命に関わっているということ。
低炭水化物ダイエットの危険性もあわせてご覧ください。